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焼きもちを妬いてばかりの彼

すっかり臍を曲げてしまった彼。 なかなか機嫌が直らなかった。 「ほっとくのが一番だ。四季、先に寝てろ」 副島さんが抱っこしようとしたら、 「俺の楽しみをとるな」 洗面所に行っていた彼がすっ飛んできた。 「そんなに四季が大事なら、さっさと…」 「言われなくてもそのつもりだ」 色香を孕んだ男らしい低い声にどきっとした。 「四季、しっかり掴まっているんだよ」 彼が車椅子から抱き上げてくれて。そのまま布団まで運んでくれた。 「これから副島と斎藤と吉村と作戦会議をするから、先に寝てていいよ。俺の寝る場所空けておいて。おやすみ四季」 にこっと優しく微笑みと、目尻に、頬っぺに、そして最後に唇にキスをしてくれた。 明かりが落とされ部屋の中が薄暗くなった。 ぼそぼそと話す声と、カタカタとスマホを操作する音が気になりなかなか寝付くことが出来なかった。 枕元に置いてあったスマホがぶるぶると振動した。 手を伸ばしスマホを手繰り寄せ画面を覗くと、たもくんからの電話だった。 今出たら彼の機嫌がますます悪くなる。 そう思って電話に出ず、元あった場所に戻した。 でも、そのあとも何度も電話が掛かってきて。電源をオフにしようと思ったら、 「あっ……」 様子を見に来た彼と目が合ってしまった。

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