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焼きもちを妬いてばかりの彼
「ごめんなさい」
なんで謝っているんだろう。
やましいことは一切していないのに。
「あの、和真さん」
顔を見るのが正直怖かったけど、ちゃんと目を見て、謝りたかったから、おっかなびっくり、そろりそろりと顔を上げた。
その時、ぱっと部屋の明かりがついた。
「まずは落ち着け」
副島さんが彼の肩をぽんぽんと軽く叩いた。でも彼は、
「……」
面白くなさそうに口を真一文字に結び、これでもかと頬っぺを膨らませた。
これには副島さんも苦笑いするしかなくて。
「なぁ四季。岩水はな、和真に……」
「その話し、ここで話す必要はないだろう。思い出すだけでも腸が煮えくり返る。忌々しい」
彼が不満を露にした。
「和真、一時間くらい一宮さんの部屋に行って頭を冷やしてこい」
「は?」
「は、じゃない。今のお前は冷静さを失っている。我を忘れている。ほら、ぼさっとするな」
副島さんが彼の首根っこをむんずと掴むと、有無をいわさず引っ張っていった。
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