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焼きもちを妬いてばかりの彼
たもくんとの仲を誤解されたまま、彼に嫌われたくない。
それならいっそ、着信拒否にし、たもくんのアドレスを削除してしまおう。
意を決し、操作しようとしたら、
「ちょっと待て‼早まるな‼」
副島さんが戻ってきた。
「こんな夜中に何度も掛けてくるということは、もしかしたら緊急かも知れない。岩水の同棲中の女性……えっと……」
「きよちゃんです」
「彼女の身に何か起きたんじゃないのか?」
「そんな……」
「長谷川さんのこともある。あり得ないとは言い切れない」
副島さんが右手を差し出した。
「スマホを貸せ。当たり障りのないようにショートメッセージを送信する」
「僕、和真さんに嫌われたくない。だから、副島さん、このままこのスマホを預かって下さい」
「……分かった」
短く答えると、慣れた手付きでスマホを操作しはじめた。
「さっきの話しだが、聞きたいか?」
「えっと……」
どう答えていいか分からず視線が宙をさまよった。
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