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焼きもちを妬いてばかりの彼

「和真のことだ。岩水との仲を邪推して、可愛い妹をいじめそうだからな。かいつまんで話しをする。寝てていいぞ。一人言だと思って聞き流せ」 副島さんがスマホを胸の内ポケットにしまうと、布団を掛け直してくれた。 「お前は四季の何を知っているんだ。年上の和真に向かって彼ははじめから喧嘩腰だった。13年ずっと側にいて四季を守り、支えてきたのは俺ときよだ。世間知らずな四季を騙すなど赤子の手を捻るくらい容易いだろうよ。甘い言葉で誘い込んで、大金をちらつかせて……何が目的だ。お前も他の男と同じだ。どうせ体が目的なんだろう?あんたはこれっぽっちも四季を愛してなんていない。出会ってまだ一ヶ月も過ぎていない男と結婚するって聞いたときはあ然とした。いかにも胡散臭いあんたに、一回りも年上のおっさんのあんたに、俺たちの大事な四季を渡すわけにはいかない。四季が傷付く前に今すぐ別れろ。返せ。岩水はそう言って和真を挑発した」 「……」 返す言葉が見付からなくて。 どうしていいか分からなくて。ただただ静かに副島さんを見上げた。

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