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焼きもちを妬いてばかりの彼
「副島も岩水も俺の知らない四季を知ってる。どうせ俺は何も知りませんよ」
お爺ちゃんたちの部屋から戻ってくるなり、ふて腐れて拗ねてしまった。
「18年、13年、それを越えていけばいいんだよ。そんなことでいちいち臍を曲げるな」
「そんなこと言ったって……口で言うのは簡単だ。疲れたから寝る。さっさと帰れ」
憮然としたまま隣に潜り込んできた。
「その台詞そのまま返す。こんな深夜に追い返すとはな、酷いヤツだ」
「部屋が狭いんだお前が寝る場所はない」
「あ、そう」
副島さんが押入れを開けるともう一組布団が入っていた。
「何をしてる?」
「見て分からないか?」
彼に何を言われても無視し、布団を引っ張り出すと僕の背中の方に敷いた。
「一晩くらいいちゃつけなくてもどうってことないはずだ。たまには我慢することを覚えた方がいい」
上着を脱ぐと、そのまま布団に横になった。
ふわりと微かに整髪剤の香りがした。
僕を間に挟み、睨み合うふたり。
睨み合うというよりは、意地の張り合いをしているみたいだ。
「ふたりは仲がいいんですね」
込み上げてくる笑いを必死で堪えながら声を掛けると、
「な訳ないだろう」
見事にふたりの声がハモった。
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