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焼きもちを妬いてばかりの彼

お爺ちゃんの家に帰ると結お姉さんと櫂さんが首を長くして待っていた。 「結お姉さん、僕のせいで巻き込んでしまいごめんなさい」 頭を下げようとしたら、 「四季くんのせいじゃないわ。それに巻き込まれたなんてこれっぽっちも思ってないわ。そんなことよりも、ねぇ、ねぇ、婚前旅行どうだった?楽しかった?それとも副島に邪魔されてそれどころじゃなかったとか?」 「結、四季くんが困ってるよ」 いつものように底抜けに明るい結お姉さん。 「だってね、私の可愛い四季くんが和真に泣かされてないか心配で何も手に付かないんだもの」 「ごめんね四季くん。結、ずっとこの調子なんだ。大丈夫?引いてない?」 「あ、はい、大丈夫です」 警察の現場検証は終わったけど、お店を大掃除しないとお客さんを迎えることが出来ないと、2週間臨時休業という苦渋の選択をした櫂さん。 まだ血の匂いがするんだ。 結、悪阻が酷くて、血の匂いを嗅いで更に悪阻が酷くならないか、それが心配なんだ。櫂さんから相談を受け、体調が安定するまでお爺ちゃんとお婆ちゃんの家で過ごすことになった。 「待ち合わせの時間に間に合わないから」 ここに着くなり、彼は副島さんと慌ただしく出掛けて行った。 初瀬川さんの弟さんが出勤前に時間を作ってくれたみたいで、斎藤さんが勤務する弁護士事務所で急遽会うことになった。 「まるで神隠しにあったように三人が忽然といなくなって、丸和電機にマスコミが押し寄せて大変なことになっているみたいだよ」 「三人?二人じゃなくて?」 何かの聞き間違いじゃないかと思った。 「櫂さん、長谷川さんときよちゃんの他にもいなくなった人がいるんですか?」 「えっと……黒田さんっていう女性だったと思うよ」 「……嘘……」 一瞬、目の前が真っ暗になった。

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