間近から見つめられ、頬に触れていた指にそっと頤を掬われる。 どきりと胸が跳ねた次の瞬間、唇に温かな彼の唇がそっと触れてきた。 ｢ん……っ｣ まるで身体全体が心臓になったかのように鼓動がみるみる速くなる。 ｢足大丈夫？重くないか？｣ いつの間にか僕の上に覆い被されような体勢になっていた彼が鼻先の触れそうな距離でにっこりと微笑んでいた。 ｢うん。大丈夫｣ ｢下肢が麻痺して動かないんだから、負担をかけないように。くれぐれも無理な体勢でしちゃ駄目。副島と姉さんから口酸っぱく言われた。子どもじゃないんだ。そのくらい分かるよ。ふたりのお節介やきと心配性には困ったものだな。そんなに俺、信用ないのかな？｣ ｢そんなことないです。どんな和真さんだって好きです｣ ｢ありがとう……四季。その言葉ずっと聞きたかったからすごく嬉しいよ。俺もきみが好きだ……愛してるよ……｣ じわりと涙が滲む目尻に口付けられ、微笑み返すと、まるで誓いのキスのように、彼の唇が静かに重なってきた。