｢足を閉じたら触れるものも触れないだろう？｣ 耳朶を甘噛みされ、ぞくっとするくらい艶っぽい声で囁かれた。 ９時にはそっちに着くからと、斎藤さんから連絡があったのは１時間前。 朝御飯の片付けを済ませ、洗濯機を回し、彼に手伝ってもらい布団を押入れにしまおうとしたのがそもそもの間違いだった。 気づいたときはすでに布団に寝かされていて、逃げられないように背中をぎゅっと抱き締められていた。 ぷにゅっとした双臀に彼の両手が回ってきて、やわやわと揉みはじめた。 ｢擽ったいから、やぁだ｣ 顔を振ると、 ｢じゃあ、足を開いてくれる？｣ 愉しげにクスリと笑う彼。 なんでこうも意地悪するんだろう。彼をもう一度睨もうとしたら、コンコンと遠慮がちにドアをノックする音が聞こえてきた。 聞こえているはずなのに聞こえないフリをする彼。無視してやり過ごすつもりでいたみたいだけど…… ｢まぁね、新婚さんだし、朝っぱらからいちゃついてても全然構わないんだけど、お客さんを待たせると悪いよ。か～～ず～～ま～～｣ 相手が結お姉さんだとどうも調子が狂うみたいで、はぁ～と深くため息をつくと、がっくりと肩を落とした。