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暗澹

園長先生の逮捕のニュースが速報で流れたのは夕方のことだった。 逮捕されれば、今まで闇に葬ってきた事件がすべて明るみになる。子どもたちを盾に園長先生は施設に立てこもった。 子どもたちの命を守るため、県警の機動隊が強硬突入し園長先生の身柄を取り押さえた。そのとき首をナイフで切り自殺を図った園長先生。意識不明のまま病院に緊急搬送された。 『施設の中を捜索していた捜査員が、いまは使われていない物置小屋から女性3人を発見し、保護した。衰弱はしているものの3人とも無事だ』 彼から結お姉さんに連絡が入ったのは夜7時を回った頃だった。 「良かったわね」 結お姉さんとお婆ちゃんがほっとし胸を撫で下ろす一方で、お爺ちゃんは釈然としないのか「何かが引っ掛かるんだ」ぼそぼそとつぶやきながらスマホを耳にあてた。 「お爺ちゃんの嫌な予感は的中率が高いから、何事もなければいいんだけど」 「そうよね」 結お姉さんとお婆ちゃんが心配そうな眼差しでお爺ちゃんを見つめた。 「急で悪いんだが明日会えないか?」 用件だけを伝えるとすぐに電話を切った。

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