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暗澹

きよちゃんが入院している病室の近くまで行ったけど、お巡りさんがドアの前に立っていて、急に怖くなって談話室に逃げ込んだ。 「このメモ紙を橋本さんに渡してもらうように頼んでくる。すぐに戻るから待ってて」 和真さんがナースステーションへと向かった。 ポケットをごそごそと探ったらちょうど100円玉が3枚出てきた。 彼に何か飲み物を買ってあげよう。 ハンドリムをゆっくりこいで自販機の前に移動した。 腰を浮かせて背伸びをしたらもしかしたら指先が届くかもしれない。 ブレーキをかけて、なんとかお金は入れられたものの、あと数センチが届かなくて、苦戦していたら、 「カフェオレのボタンを押せばいいのか?」 頭上で聞き覚えの声がして、どきっとして顔をあげると、 「たもくん」 彼がいたから腰を抜かすくらいびっくりした。 「そんなに驚かなくてもいいだろう。もうひとつ同じものを購入するのか?」 「うん、ありがとうたもくん」 「朝宮さん、一緒なんだろう?」 「ナーススーテョンに行ってる」 「ふ~~ん。そうなんだ」 たもくんが不機嫌そうに口角を歪めた。

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