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真犯人は……

彼の証人の欄にはお爺ちゃんの名前が書かれてあって、僕の証人の欄には副島さんの名前が書かれてあった。 彼の話しだと、誰が書くかで副島さんと副島さんのお父さんかなり揉めたみたい。 らちがあかないから、お爺ちゃんが間に入り、恨みっこなしのあみだクジで決めたみたいだった。 初老の男性が僕を探して店内をウロウロしていると店長さんに言われそれとなく男性の顔をちらっと見た。 副島さんに目の辺りがよく似ていた。 「あっ……」 男性と何気に目があってしまい、慌てて頭を下げた。 「四季くん…だよね?副島の父の副島です。小さい頃会ったきりだから覚えていないのも無理ないか。いゃあ~~ママそっくりの美人さんになって。朝宮じゃなく、息子の嫁に来てほしかったけど、こればかりはしょうがない」 人懐っこい笑顔で駆け寄ってきてくれて、話し掛けてくれた。 「息子にまだ会うなって止められたんだけど、我慢出来なくなって、一目見るだけならいいかなって。良かった会えて。じゃあ、帰る」 「え?」 呆気に取られる僕をよそに、近くにあったレタスを手に取るとそそくさとレジへと行ってしまった。

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