両方の頬に、額に、鼻先に唇が触れる。 優しく愛情のこもった口付けにぽうっとしてしまうと、 ｢大人しく寝るつもりでいたのに、そんな可愛い顔をされたら我慢が出来なくなる｣ 困ったようにクスリと笑うと頬を撫でられた。 ｢待つつもりでいたのに。今すぐ全部俺のものにしたくなる｣ 瞳を覗き込まれ、掠れた声で囁かれた。 絡む視線もいつになく男らしさの漂うもので、見つめられているだけでみるみる身体が熱くなっていく。 動けずにいると、頤をそっと掬われ口付けられる。 ｢ん……っ｣ 唇と唇が触れあった瞬間に、ドキリと心臓が跳ねた。身体の奥から一気に熱が込み上げてきて、頭の中が真っ白になった。 ｢っふ……ぁ……っ｣ 歯列の隙間から忍び入ってきた舌先に翻弄されるがまま嬌声を上げ幾度も身をしならせた。 甘ったるい自分の声が恥ずかしくて堪らないのに、どうしても堪えられないのだ。 口元を手で押さえても、すぐに彼によって引き剥がされ、一層淫らな声を上げさられる羽目になってしまう。 結お姉さんやお爺ちゃんやお婆ちゃんがいるのに。恥ずかしくて明日どんな顔でみんなに会えばいいのか分からない。