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報われない想い

「心臓突然死って」 「昨日まで元気だった人が次の日には心臓が突然止まって亡くなることだ。円谷さんの場合、高血圧症以外既往症がないみたいで、不審な点があるからこれから解剖が行われるみたいだよ」 「じゃあ、園長先生は……」 「口封じのために何者かに殺された。ま、そういうことだろう。息子は、朝宮くんと今日退院する初瀬川さんと黒田さんだっけ?ふたりを迎えに行っているはすだ」 「和真さんと副島さん、初瀬川さんと黒田さん、みんな大丈夫かな。無事かな」 黄緑色のエプロンをぎゅっと握り締めた。 「アルバイトは何時までだっけ?」 「3時までです」 「あと2時間か。一宮に早めに迎えに来るように頼んでおくよ。でも昨日のこともあるしな……」 腕を前で組みしばらく考え込んだのち、 「一宮が来るまで車のなかで待機していればいいんだ。そうだ、それが一番手っ取り早い。もし何かあってもすぐに駆け付けることが出きる。急いで後片付けをしてくるから」 「すみません、迷惑ばかり掛けてしまって」 「迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないよ。むしろ四季くんのために出来ることがある。それが嬉しいんだ」 ニコニコと笑顔を見せながら戻っていった。 「副島さん、スマホ……」 まだ返していなかったことに気が付き、ハンドリムをこいであとを追い掛けた。

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