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報われない想い

ドアが開く音がして顔を上げると、 「いらっしゃ……え?」 予想もしない人物が目の前に立っていたから驚いた。 「か、和真さん」 顔を近づけ、顔を覗き込んできた彼の瞳が凛々しいうえに色っぽくて、持っていた新玉ねぎの袋を思わず落としそうになった。 「痕……やっぱり目立つね」 左耳の下を指先で撫でられ、カァッと顔が熱くなった。 「これからは気を付けるよ」 掠れた声で囁かれ、心臓がドキドキして今にも飛び出しそうになった。 「あの……もしかして、朝宮さんの?」 パートさんに声を掛けられ、はっとして我に返った。 「妻がお世話になっています」 ニッコリと微笑み軽く会釈する彼。絵になるカッコ良さにパートさんたち、みんな見惚れてぼぉーとしていた。 「お爺ちゃんから連絡をもらって急いで迎えにきた」 「副島さんのお父さんが車で待機してくれているの」 「向こうから話し掛けてくれて。10分くらい立ち話をしていた」 彼と話しをしていたら、上がっても大丈夫だよ、今度は矢野倉さんに声を掛けられた。

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