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報われない想い

作戦会議は夜遅くまで続いた。 「どうした?」 「蛙の鳴き声がすごいなって。まるで合唱しているみたい」 「五月蝿いだけだよ」 お爺ちゃんの家は田んぼに囲まれている。 防犯灯の明かりが夜空をぼんやりと照らしていた。たまに車が通るくらいで人通りは全くない。 「本音を言うと、四季に田舎暮らしが嫌だって言われたらどうしようって心配だったんだ。近くにコンビニエンスストアも娯楽施設も飲食店もない。田んぼと畑しかないだろう?」 「僕がいた施設も川が近くに流れていて田園風景が広がっていたから、全然気にならないよ」 「そうか、それなら良かった」 彼がにこっと微笑んで助手席から抱き上げてくれた。 「お風呂に入る?それとも寝る?」 「僕はどっちでもいいよ。和真さんは?」 「う~~ん、どうしようかな」 悪戯っぽい笑みを浮かべる彼に嫌な予感がした。

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