245 / 588
報われない想い
「待って……」
彼を止めようと開いた唇は、いきなりのキスで塞がれてしまった。
「逃がさないよ」
違う。そういう訳じゃ。
肩に、首筋に、彼の湿った息が触れ、もがく身体を抱き締められた。
「ん……んんっ……」
2度目のキスははじめから濃厚なものだった。
舌に舌が絡み、夢中で応えていると、ズボンの中に手が入ってきて、何かを塗られたのか、後ろの蕾に濡れたような、ぬめるような感覚を覚えた。
そこにそろそろと触れる指を感じぎゅっと身を強張らせた。
「力を抜いて」
そう言われても、初めてなんだもの。力を抜こうと思っても緊張してしまう。
いつの間に箱を開けたのか、彼の手には、複数の玉が1つにつながった形をした器具が握られていた。
「アナルビーズだ。肛門から直腸に差し込み……」
「もういいです」
和真さんってスイッチが入るとまるで別人のようだ。きみがあまりにも可愛いから、つい泣かせたくなる。聞いているのが恥ずかしくなるような台詞をさらりと口にして、大人の余裕とばかりにさっきも散々泣かせられた。
後ろの蕾にひやりとした先端を押し当てられ、ウィ~~ィン~~と鈍い羽音が聞こえてきた。
ともだちにシェアしよう!