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報われない想い

「待って……」 彼を止めようと開いた唇は、いきなりのキスで塞がれてしまった。 「逃がさないよ」 違う。そういう訳じゃ。 肩に、首筋に、彼の湿った息が触れ、もがく身体を抱き締められた。 「ん……んんっ……」 2度目のキスははじめから濃厚なものだった。 舌に舌が絡み、夢中で応えていると、ズボンの中に手が入ってきて、何かを塗られたのか、後ろの蕾に濡れたような、ぬめるような感覚を覚えた。 そこにそろそろと触れる指を感じぎゅっと身を強張らせた。 「力を抜いて」 そう言われても、初めてなんだもの。力を抜こうと思っても緊張してしまう。 いつの間に箱を開けたのか、彼の手には、複数の玉が1つにつながった形をした器具が握られていた。 「アナルビーズだ。肛門から直腸に差し込み……」 「もういいです」 和真さんってスイッチが入るとまるで別人のようだ。きみがあまりにも可愛いから、つい泣かせたくなる。聞いているのが恥ずかしくなるような台詞をさらりと口にして、大人の余裕とばかりにさっきも散々泣かせられた。 後ろの蕾にひやりとした先端を押し当てられ、ウィ~~ィン~~と鈍い羽音が聞こえてきた。

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