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報われない想い
「なるほどな。今は便利なモノがあるんだな」
彼がムカデのようにくねくねと動くアナル……言うのも恥ずかしいんだけど。それをじっと眺めていた。
「これ柔らかいからシリコンかな?これの金型がどうなってるか見てみたいな」
「へ?」
「シリコンも樹脂ポリマーも無限の可能性を秘めているからね。精巧に作り込まれている製品を見るとなぜか血の気が騒ぐんだ。職業病かな?」
苦笑いすると、上体をむくっと起こした。
「俺のより一回り、いや二回りはある。こんな太いモノを、四季のナカに入れたら、間違いなく切れて出血する。絶対痛い。四季を泣かせたら、姉さんにみっちり怒られる。副島にもとばっちりがいくだろう。これより小さいサイズがないか、今度ネットで探してみるよ」
真剣な顔付きで、未開封の箱をまじまじまと見詰めた。
声を掛けたくても、どう掛けていいか分からなくて。ゆっくりと体を起こし、俯きながら、そぉーと空いている手に、自分の手を重ねた。
「続きをする?それとも弁当を食べてから、続きをする?」
「え?」
「冗談だよ」
にこやかに微苦笑すると、おでこにチュッと軽く口付けをされた。
「姉さんたちが帰ってきたみたいだ」
急いで紙袋にしまうと、何事もなかったようにすっと立ち上がった。
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