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報われない想い
「四季くんただいま!」
結お姉さん、相変わらずテンションが高い。
「あら、もしかしてお邪魔だった?」
「邪魔じゃないよ。ちょうど夕御飯を食べようと思っていたところ」
「それって、もしかしてナカトミのビーフシチュー?」
「あぁ、副島が持ってきてくれた」
「美味しそう!実はね私たちもお弁当を買ってきたのよ」
結姉さんが櫂さんを手招きして呼んだ。
「駅の近くにワンコインで食べれる海鮮丼のお店があるんだ。開店前にはいつも行列が出来ている。四季くんにどうしても食べさせてあげたいって結に頼まれて」
レジ袋からお弁当を取り出すとテーブルの上に並べはじめた。
「あら~~結も買ってきたの?」
お婆ちゃんの声が聞こえてきて、ビックリして顔を上げると、お婆ちゃんとお爺ちゃんが仲良く連れ立って帰ってきた。
「もしかしてお爺ちゃんたちもお弁当を買ってきたの?」
「たまには四季くんに美味しいお弁当を食べさせてあげようかなって思って。奮発しちった」
「結お姉さん、櫂さん、お爺ちゃん、お婆ちゃんありがとう。沢山あって食べきれないけど、すごく嬉しい」
家族がいるってこんなにも幸せなことなんだ。彼と一緒になって良かった。改めて幸せを噛み締めた。
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