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一生消えない心の傷

「四季がきよに抱いているイメージは人当たりがよくて面倒見のいいお姉さん。そんなところだろう?」 「うん」 「それはあくまで表の顔だ。裏の顔は全然違う」 「たもくん?」 「きよは祖父母に溺愛され、我が儘放題に育てられた。小さい頃からなんでも人のものを欲しがり、祖父母はなんでも買い与えていたみたいだ。だから我慢するということを知らないまま育った。きよは、たまに帰ってくる母親の恋人を欲しがるようになった。性に対して早熟だったんだろうな。きよは母親から恋人を寝取った。そのことで母親と取っ組み合いの喧嘩をして、腹いせに自宅に放火し、母親とその恋人を殺してしまった」 たもくんの言う通り、施設に来たとき、きよちゃんは小学生とは思えないくらい大人びていた。 だから男の子にモテモテで、会うたび違う男の子と手を繋いで歩いていた。うんと年の離れた大人の男性とも。夜、こっそり施設を抜け出し、内緒で男の子と会っている噂も絶えなかった。 だからかな、たもくんの告白を聞いても驚かなかった。不思議と冷静でいれた。 「きよの母親が別れ話のもつれから恋人を巻き込んで家に火をつけた。死人に口なしだ。事件そのものが隠蔽された。何でだか分かるか?」 首を横に振った。 「きよは園長の隠し子だ。毎月多額の養育費を母親に渡していたから贅沢のし放題だろう。園長はスキャンダルを恐れ事実をすべて握り潰し闇に葬った。一旦休もう。お腹空いてないか?」 「ううん、大丈夫」 警戒して緊張していたからか、車窓の景色なんて見ている余裕なんかなかった。気付けば、いつの間にかサービスエリアに着いていた。 以前和真さんに連れてきたもらったサービスエリアだ。

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