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一生消えない心の傷

ガタン、助手席のドアが開く音にドキッとして我に返った。 「財布を忘れたことを思い出した。おっちょこちょいだよな俺」 たもくんが頭を掻きながらグローブボックスを開けると財布に手を伸ばした。 「何か食べ物もついでに買ってくる。待ってろ」 そう言い残すとドアを閉め、ロックをし建物に向かった。 コンコン。窓ガラスをノックする音にびくっとして、おっかなびっくり顔を上げると、 お爺ちゃん、副島さんのお父さん。なんでここに? 「あやまったな。車どこさ停めたか忘れちまった」 「この辺りじゃなかったか?」 お爺ちゃんが周囲を警戒しながら、ビニールに入った紙を窓に押し付けた。 そこには、 【不審な白いワンボックスに注意。犯人を刺激しないように、まずは落ち着く。下手に騒がない。必ず助けるから、今は辛抱して犯人の言うことを大人しく聞く。和真と斎藤も向かっている】 そう書かれてあった。 「年は取りたくねぇな」 「うだな」 そうこうするうち建物からたもくんが出てきた。 「あれそうだべ」 「あった、あった」 即興とは思えないお爺ちゃんと副島さんのお父さんの演技に目をパチパチしていると、何事もなかったように駐車場にすぅーと消えていった。

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