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複雑に絡み合う想い

「ほっとしたらなんだか眠くなってきた」 「寝てても大丈夫だよ。10時半になったら起こすから」 「足痛くないか?この体勢辛くないか?重くないか?」 「もう心配し過ぎ。そんなに柔じゃないよ」 「ごめんな四季も疲れているのに。横になりたいのに。我が儘ばかり言って」 「僕は大丈夫だから、和真さんの方こそ休んで。僕のために駆け付けてくれたんだもの。ありがとう和真さん」 「ごめんな危ない目にあわせて。怖かっただろう?」 「ううん。和真さんが助けに来てくれるって信じていたから。それにお爺ちゃんと副島さんのお父さんが後ろから付いてきてくれていたら怖くなかった」 「お爺ちゃんと副島のお父さんは四季のことが目に入れても痛くないくらい可愛くて仕方がないみたいだ。だから、四季のことになるとふたりとも人が変わったようになる」 「感謝しなきゃね。お爺ちゃん孝行しないと。副島さんのお父さん孝行しないと」 「そうだな」 柔らかく微笑み、彼の目蓋がゆっくりと閉じた。疲れが滲むその表情に胸が締め付けられるくらい苦しくなった。 ごめんなさい和真さん。迷惑ばかり掛けて。心配ばかりかけて。心のなかで繰り返し謝った。 規則的な寝息を立てて眠る彼の寝顔を眺めていたら、枕元に置いてあったスマホがぶるぶると振動した。 誰だろう。手をそぉーと伸ばし取ろうとしたら、耳に触れたみたいで、苦悶の表情を浮かべ小さく唸り声を上げた。 「ごめんなさい和真さん」 慌てて手を引っ込めた。

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