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複雑に絡み合う想い

「結婚式を中止にしよう。和真にそう言ったそうだな。四季は何も悪いことはしていないんだ。中止にする必要はない。それに親友に遠慮する必要もない。彼女を信じたい気持ちは分かるが、結婚式は一生に一度の晴れ舞台だ。俺も、俺の父も四季と一緒にバージンロードを歩くのを楽しみにしている。和真に大事な妹をくれてやるんだ。一言言わないと気が済まないからな」 副島さんが缶コーヒーの蓋を開けるとぐいっと一気に飲み干した。 「和真と喧嘩したらいつでもうちに帰ってこい。電話をもらえば迎えにいってやる。携帯の番号分かるだろ?」 「だからまだ和真さんとは喧嘩してません」 「予行練習で試しに一回だけ喧嘩してみたらどうだ?」 「副島さん、絶対僕のことからかってるでしょう」 頬っぺたをこれでもかと膨らませると、 「ごめん。悪気があった訳じゃない。そういえば黒田さんと初瀬川さんが気になることを話していたな」 いつの間にか話しがすり変わっていた。

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