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複雑に絡み合う想い

「四季」彼が息を切らしながら帰ってきた。 「お帰りなさい」 「刑事に変なことされなかったか?嫌なこと、言われなかったか?怪我はない?」 体をあちこち触られた。 「うん、大丈夫だった。お爺ちゃんの知り合いの刑事さんが、病院に来たあの二人の刑事さんを一喝してくれて、助けくれたから」 「そうか、それなら良かった」 彼がほっとして胸を撫で下ろすと、そのままその場にへたり込んだ。 「和真さん大丈夫?」 車椅子から身を乗り出し手を差し出すと、 「安心したら力が抜けてしまったみたいだ」 苦笑いしながら手をぎゅっと握り返してくれた。 ピタリと背後に付けられて。そこの車停まりなさいじゃなくて、停まれ!拡声器から聞こえてきたのは怒鳴り声だった。 関わり合いを持ちたくなかったお爺ちゃんだったけど、相手は刑事。仕方なく指示に従い路肩に停車するしかなかった。 トントン、窓ガラスをノックされ開けると、 「おっさん、スピード超過だ。さっさと免許証出せや」 恫喝するように声を張り上げた。 お爺ちゃんは普段から法定速度をちゃんと守り安全運転を心掛けている。スピードを超過するなどあり得ない。ハッタリだ。 聞き覚えのある声にどきっとして、おっかなびっくり刑事の顔をちらっと見た。その瞬間、恐怖が甦ってきて体がかたがたと震えだした。 そこへ颯爽と現れたのがお爺ちゃんの知り合いの、城という名前の刑事さんだった。

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