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複雑に絡み合う想い
「城さんはお爺ちゃんの元部下なんだって。再捜査させてほしいと上司に何度も掛け合ってくれたみたいだよ」
「なんで姉さんがここにいるんだ?櫂さんは?」
「常連さんたちがカフェを再開させてほしいって彼に頼んだの。だから平日限定で再開させることにしたみたいだよ。片付けと明日の仕込みもあるから8時過ぎるって連絡があったの。もしかして和真。姉さんを追い出す気?ちょっとそれ酷くない?」
「四季に疲れた体を癒してもらおうかと思ったのに……」
がっくりと肩を落とした彼に、
「四季くんは和真だけのモノじゃないのよ。一人占めは許しません」
どう頑張っても結お姉さんに頭が上がらない彼。しゅんとして項垂れると、椅子に腰を下ろした。
「とりあえずご飯食べよう」気まずい空気を一蹴したくて、台所に向かった。
「ヤクザみたいな刑事……確か渡辺と佐川っていう名前だったと思うんだけど、お爺ちゃんが元刑事で、城さんの知り合いだって聞くなり、高圧的な態度をころっと変えて、お爺ちゃんと城さんに水臭いですよ。そうならそうと早く言ってくださいよって、胡麻をすりはじめたんだって」
「呆れてものが言えないな。四季をはなっから犯人扱いしてバカにして。いまだに謝罪もない」
「きっとそのうちバチが当たるよ。ほら、和真、運ぶのくらい手伝いなさい」
「は?なんで俺」
「他に誰がいるの」
「たく、相変わらず人使いが荒いんだから…でもまぁ、体調が芳しくないんだ。しょうがないか」
ぶつぶつと一人言を言いながらも、料理をテーブルに運ぶのを手伝ってくれた。
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