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複雑に絡み合う想い

「副島さんなんて?」 「任意で事情を聞かれていたまなみ先生が警察署を出たあと姿を眩ましたらしい」 茶碗を洗っていた手を止めると、彼が蛇口を捻り水を止めてくれた。 「まなみ先生、いつもにこにこしてて優しいんだよ」 「子どもたちの前では、だろ?今まで本性を隠し演技をしていたのかも知れないな」 彼と目が合った直後。 端整な顔に見つめられ、胸がドキドキし、頬が熱くなるのを感じた。 「愛してるよ四季」 甘い囁きが耳元を掠め、頬に優しいキスが触れる。 ぎゅっと抱き締められ、ふわりと体が宙に浮いた。 「和真さん、まだ洗い物が終ってないよ」 「あとで洗っておくから心配するな」 「それと、あのね」 「エッチしている場合じゃないってだろう?本当は毎日でも四季を抱きたい。引っ越しや岩水のことがあってこの一週間ハグとキスだけで我慢してきた。お風呂に一緒に入ったときもエッチな悪戯はしないって何度自分に言い聞かせたか。これ以上は我慢出来ない」 真っ直ぐ寝室に向かった。 大好きな彼の重みを全身に感じ、温もりに包まれると、どうしても胸が高鳴って、落ち着かなくなってしまう。 大きなベットの上。 逞しい身体にそろそろと腕を回し、 「僕も、大好きです」 本当ならもっとしっかりと伝えたいのに、恥ずかしさがこみ上げてきて、どうしても声が小さくなってしまう。 気持ちに声が追い付かない。 分かってるよ。微笑むと、さっきよりも一層優しく、唇にそっと口付けられた。

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