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信じていたひとの裏側に隠されていた、もうひとつの顔
「もうやだ。冗談でしょう」
結お姉さんが信じられないという声をあげた。
「四季くんが冗談を言う訳がない」
「え?それじゃあ、実の兄弟だと知らずにふたりは付き合ってるってこと?」
「そうなるな」
「少なくても円谷園長とまなみ先生は知っていた。知ってて交際させていた。頭がイカれてるとしか思わない。可哀相なのは岩水と橋本だ」
彼の言葉に結お姉さんと櫂さんが相づちを打った。
「四季、それはいつのことだ?」
彼が跪き、目線を合わせてくれた。
「記憶がいまいち曖昧なんだけど、えっとね、就職が決まって、たもくんが自分のルーツを調べたい。まなみ先生に相談したの。それでたもくん戸籍を取り寄せたんだけど、母親の名前を見た瞬間まなみ先生の顔色が変わったみたい。たもくんは女神から夜叉のような顔になったって。怖くておしっこがチビりそうになったって」
「相当怖かったんだな」
彼がくすっと苦笑いを浮かべながらスマホを耳にあてた。
「岩水に母親の名前を聞く。その方が手っ取り早い」
結お姉さんと櫂さんもくすくすと笑っていた。僕、何か変なこと言ったかな?
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