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信じていたひとの裏側に隠されていた、もうひとつの顔

副島さんが迎えに来てくれて、彼に抱っこしてもらい後部座席に乗り込もうとしたら、 「あの、すみません」 制服を着た若い捜査員に声を掛けられた。 「朝宮四季さん宛の手紙が落ちていたんですが……」 決して疑う訳じゃありませんが、彼がその捜査員に身分を証明するものを提示するよう求めた。 「気を悪くさせてすみません」 「いえ大丈夫です」 街灯の下の植込みのところに落ちていたという手紙。若い捜査員から差し出され素手で受け取るのではなく、ハンカチで受け取った。 「これは俺が預かる。先に行って待ってて」 「和真さん、大丈夫?」 「櫂さんも一緒だから大丈夫だ」 捜査員が引き上げるまで彼と櫂さんが残ることになった。 「さすが吉村だ。あっという間に岩水の母親のことを調べあげた」 バンドルを握りながら副島さんがおもむろに口を開いた。 「あの優しいまなみ先生が怒るくらいだから、友達とか知り合いなのかな」 「私はごく近い身内だと思う。直感だけどね。ねぇ四季くん、そのまなみ先生だっけ?ご家族は?」 「うんと遠いところに、年の離れた妹さんが住んでいるって一度聞いたことはあるけど、詳しいことまでは」 「うんと遠いところって、なんかそれ、もうすでに亡くなってるって言い方だよね。ごめんね四季くん。縁起でもないよね」 「昔は意味が分からなかったけど、結お姉さんの言う通りかも知れない」

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