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信じていたひとの裏側に隠されていた、もうひとの顔

吉村さんから送られてきたメールを副島さんから見せてもらった。 たもくんのお母さんの名前は岩水カナミさん。漢字表記は現在調査中と注意書がされてあった。 「円谷まなみ。旧姓岩水。シングルマザーだった母親の育児放棄で、妹のカナミと一緒に児童相談所に保護され、四季と同じように児童養護施設で育った」 そこで言葉を一旦止めると、お抹茶のパフェを美味しそうに頬張る結お姉さんを心配そうに見つめた。 「抹茶苦手だったよな?大丈夫か?」 「妊娠して味覚が変わったみたい。悪阻が酷いのに、なぜかフライドポテトがむしょうに食べたくなったこともあるし、酸っぱいのが苦手なのに気付いたらグレープフルーツを食べてたこともあるし」 「それならいいが」 副島さんが胸を撫で下ろした。 「報道されているように円谷園長は60歳でしょう?まなみ先生いま幾つなの?岩水くんも橋本さんもたしか19歳だよね?同時に三人、しかも奥さんの実の妹とも付き合っていたってことだよね?」 「そうなるな。これ以上の話しは四季には刺激が強すぎるから割愛する」 「えぇ~~!なにそれ。四季くんも聞きたいよね?だってもうオトナだし」 「あのな、結……」 副島さんがやれやれとため息をつきながら額に手をあてた。

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