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コオお兄ちゃん

「……そんな顔するようになったんだね」 子どもの成長を喜ぶような口調に、どういう意味なのか一瞬分からなかった。 「目で誘えるようになるなんて、思わなかった」 物欲しげな顔をしていたのかと思うと恥ずかしいのに、彼が嬉しそうにしているのを見ると、それでも構わないと思ってしまう自分がいた。 「四季、最初何も知らなかっただろう?俺がすることにいちいち驚いて、それはそれで可愛かったんだけど、なんだか子どもに手を出しているみたいで罪悪感があったんだ。それは今もなんだけど」 はじめ彼に触れられるのも怖かった。 何気ない瞬間、ふと昔のことがフラッシュバックしたこともある。 怖くて、がたがたと怯えていたこともある。でも、彼に出会いはじめて恋を知ったから。安心できる心地良い温もりを知ったから。 だから僕の帰る場所は彼の腕の中だけだもの。 広くて温かな彼の胸にぎゅーっとしがみつくと、 「四季は蛇の生殺しの意味を1度知った方がいいかもね」 「へび……の、なま……ごろし?」 「やはりきみにはちょっと難しかったようだね」 困ったように苦笑いされてしまった。

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