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コオお兄ちゃん
「県外の小学生が、城下町の会津若松や蔵の街の喜多方を修学旅行で訪れて、絵ろうそくやあかべこの絵付け体験をしたり、鶴ケ城や飯森山を見学する様子がニュースで流れているのを見掛けたんだ。僕、車椅子だからみんなに迷惑を掛けるから、遠出しなくてもいい。近場でいい。それに結お姉さんがもし体調が悪くなってもすぐに病院に行けるでしょう」
「遠出は和真くんとの新婚旅行に取っておきたいんだね」
「櫂さん、決してそういう意味で言ったんじゃなくて……」
なんとなくきまりが悪くてはにかみもじもじしながら下を向くと、
「結の体調を最優先に気遣ってくれてありがとう」
櫂さんがにこっと微笑むと、彼の視線を気にしながらも髪を指先でそっと撫でてくれた。
「大人げないぞ。焼きもちを妬くな。みっともないぞ」
当然のように面白くない彼を副島さんが宥めていた。
「旅館の手配は俺と副島に任せろ。みんなで一緒に出掛けるんだレンタカーを借りないとな」
「じゃあ、僕は絵ろうそく体験やあかべこの絵付け体験が出来るところを探すよ」
せっかくだから楽しい旅行にしよう。
彼が髪を撫でながら耳元にそっと囁くと、触れるか触れないくらいのキスを首筋にしてくれた。
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