｢城さんもよくご存知のように、妻はやってもいない罪であらぬ疑いを掛けられ、違法な取調べを受けました。警察署のお偉いさんたちはテレビの前ではぺこぺこと頭を下げるのに、いまだ妻に対しては一切謝罪なしです。今回の一連の事件についても自作自演じゃないか、はなから犯人扱いをされて。妻は辛い想いをし、心に深い傷を負いました。城さん、署長なり、県警の幹部を連れてきてください。妻に謝罪するのがまず先じゃないですか？あと、ヤクザみたいなふたりの刑事もです。ちゃんと謝ってくれたら、私も姉も喜んで捜査に協力します」 彼が写真を城さんに返した。 ｢2年前の事件は解決済みだ。今さらふざけるな！」 城さんの部下の刑事さんが彼の胸倉に掴み掛かった。 ｢矢内、止めろ！」 城さんが止めた。 ｢城さん何でですか？」 ｢和真くんの言う通りだからだ。2年前の事件も、今回の事件もまだ終わってないんだよ。本当の被害者は誰か、矢内、お前が一番分かることだろう」 城さんの言葉にはっとし、部下の刑事さんが静かに手を離した。