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深まる謎

捨てろと命じたはずだ。目がそう言っていた。 「一宮さんに言われたはずだ。高齢者や女性や子ども、身体に障がいを持つ弱き者を犯罪から守ってこそ刑事だってな。俺がなぜ本庁から県警に異動になったか分かるか?」 佐瀬さんが不思議そうに首を傾げた。 「当時のK警察署、署長だったお前と円谷の癒着を暴き、一宮さんの孫夫婦の前で土下座させて謝罪させる為だ。2年前の事件はまだ終わってないんだよ」 城さんが請願書を佐瀬さんの前に置いた。 「K市の人口は約32万人だ。その半数以上にあたる17万人が、俺たち警察のやり方に異議を唱え署名に協力したことになる。お前は市民の声まで揉み消そうとした」 城さんの追求に佐瀬さんは渋い顔をし、口を真一文字に結んだ。 「少年法で守られるべき存在なのに、四季の名前だけどういう訳か公表されて、加害者の警察官2名は二十代男性巡査のみ。どう考えてもおかしい。なんで四季だったんですか?四季がなにか悪いことをあなたにしたんですか?」 悔しさに拳を震わせ彼が佐瀬さんを睨み付けた。

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