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深まる謎
垂れぎみの人懐っこい目と、大きく丸い鼻が特徴的な若い男性の似顔絵を一目見た瞬間「あれ?」思わず声を漏らした。
「四季」彼が怪訝そうな顔で覗き込んできた。
「誰かに似てるの。その誰かが思い出せないの」
「城さん、この男性は?」
「嘘か真か真相は分からないが、K警察署では今も岩沢の幽霊が出るらしい。そりゃあそうだ。化けて出たくもなる。その似顔絵は実際に幽霊を見た署員の証言をもとに描いたんだ」
彼もあれ?何かに気付いたみたいだった。
「副島、目の辺りが誰かに似てないか?」
似顔絵をコオお兄ちゃんに見せた。
コオお兄ちゃんはしばらく見つめていたのち、
「……丸和電機の品質管理課の武田課長に似てないか?他人の空似かも知れないが、目の辺りがそっくりだ」
言われてみれば確かにそうだ。
武田課長に似ている。
「でも武田課長は武田だよ。岩沢じゃないよ」
動揺のあまり声が震えた。
「偽名かも知れない。至急、部下に調べさせる」
城さんがスマホを耳にあてた。
「武田課長は僕のこと、実の息子みたいに可愛がってくれた。いつも優しくしてくれた。何かあるときは真っ先に駆けつけてくれた」
「きみを守ろうとしたんじゃないかな?橋本さんや円谷や佐瀬から。そうとしか考えられない」
「和真さん、あのね」
僕はそのときあることを思い出した。
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