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命をかけても守りたいもの
「あのね和真さん」
ペットボトルをぎゅっと両手で握り締めた。
「ショッピングセンターの駐車場に入るからちょっと待ってて」
「うん、分かった」
右にウィンカーを出すと車線変更し、対向車が来ないことを確認してから右折した。
「やっぱりまなみ先生と初瀬川さんのお兄さんだったのかな?」
建物からだいぶ離れた場所に車を駐車させると、彼が顔を覗き込んできた。
街灯もなく車内も薄暗くて彼がどんな表情をしているかよく見えなかった。
「かず……ま、さん?」
首を傾げると、頤をそっと掬われ口付けられた。
「か、和真さ……あ、あの……」
触れ合った瞬間、ドキリと心臓が大きく跳ねた。
誰が見てるか分からないのに。恥ずかしくて彼の胸を手で押そうとしたら、
「なかなか二人きりになれないんだ。少しだけ四季を補給させて欲しい」
掠れた声で囁かれ、みるみる身体か熱くなっていった。
「んっ……ん、んっ…っ」
再び口付けられ、挿し入ってきた舌に口内を探られ、ぎゅっと包み込むように抱き締められた。
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