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命をかけても守りたいもの
たもくんと武田課長と初瀬川さんが心配で一睡も出来なくて。雨垂れの音を聞きながら、真っ暗な空をぼんやりと眺めていたら、
「いつまで起きているんだ?」
少し掠れた声がしたかと思うと、背後からいきなり抱き締められた。
驚いて小さく悲鳴を上げると、途端、その唇に唇が重ねられた。
「ん……っ……っ」
さほど濃厚ではない口付けだ。
それでも、すきなひとに抱き締められ、口付けられていると思えば身体から力が抜けていく。
「っふ……っ」
長いキスが終わり湿った吐息を溢すと、ぐったりとして彼に身体を預けた。
抱き留めてくれる広くて温かな胸のなかは、どこよりも心地いい場所だ。
「みんな、大丈夫かなって思って」
そわそわしながら彼を見上げると、
「心配しなくてもそのうち連絡が来るよ」
不安な気持ちを一掃するようににこっと優しく微笑んでくれた。
「そろそろ副島が邪魔しにくる頃かな?」
項にくっきりと残るキスマークをそろりと指でなぞりながら、彼がくすっと笑った。
「四季に甘えようかなって思っていると必ずといって邪魔しに来るだろう?鍵なんか掛かってないし」
その時、すっーと襖戸が開いた。
「な、言った通りだろう」
彼が愉しげにくくっと笑った。
「和真、四季を寝かせてやれ」
「あぁ、分かってる」
ふたつ並んだ布団のうちのひとつに持参した枕を置くとごろんと横になった。
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