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命をかけても守りたいもの
「四季の浴衣姿、何度見ても可愛いな」
「当たり前だ。俺の自慢の妻だもの」
お尻の下に手を入れると、ふわりと体が浮いた。
「一度聞こうと思っていたんだが、何で二階の自分の部屋で寝ないんだ?」
「隣の部屋でいちゃついている夫婦の邪魔をする訳にはいかないだろう。でも、どういう訳か和真の邪魔はしたくなるんだ。四季が側にいると居心地がいいし、それに安心する。不思議と熟睡出来るんだ」
そっと布団の上に寝かせられると、コオお兄ちゃんが嬉しそうに身体をすり寄せてきた。
「副島、四季は俺のだ」
彼も慌てて横になると、コオお兄ちゃんに負けじと僕の腕にしがみついてきた。
「ていうかお前には彼氏がいるだろう」
むっつりした表情を浮かべると唇を一文字に結んだ。
「まだ片想い中だ」
「いい加減告白したらどうだ?」
「生憎告白する予定はない」
コオお兄ちゃんは恥ずかしそうに顔を逸らすと布団を頭から被ってしまった。
「この人は俺の知ってるまなみ先生じゃない、岩水は遺体を前にハッキリそう答えた。初瀬川さんも2年間兄とは会っていないが兄の義之ではないと断言した」
「和真さん、コオお兄ちゃん、武田課長は?西本さんは?どうなるの?」
「明日から本格的な取り調べがはじまる。そんな顔するな。心配しなくてもふたりはすぐに釈放される」
「和真の言う通りだ」
ふたりに励まされ、安心したらなんだか急に眠くなってきた。彼に腕枕をしてもらい、うとうとしていたら、ぶるぶると誰かのスマホが振動した。
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