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後悔

「南と和真くんのことはほっといても大丈夫だよ」 「でも……」 「相手が和真くんだから……南と和真くんの姉、結は同級生で今も仲のいい親友なんだ。だから、あれでも南は手加減しているんだよ。それよりも私に話しがあるから来たんだよね?」 頷く間もなく先生に車椅子を押され、そのまま待合室に連れて行かれた。 「その女性のことはよく覚えているよ。守秘義務があるから話せないと答えたら、警察官を名乗る男性を連れて来た」 先生にまなみ先生が残したメモ紙をコピーしたものを見せた。 「ここに書かれてある事はすべて事実だよ。あの時、目で必死に何かを訴える彼女の心の声に気付いていれば、胎児を救うことも、彼女を助け出す事も出来た。そう思うと悔やんでも悔やみきれないよ。何か飲む?」 「いいえ大丈夫です」 「遠慮しなくてもいいんだよ。ちょっと待っててね」 先生が待合室に置いてある自動販売機へと向かった。 「一度も病院を受診したことがない。その子に付き添っていた養護施設の園長は見るからに挙動不審で、警察に性的虐待の疑いがあり。すぐに保護してくれと頼んだんだ。でも、警察から返ってきた答えは彼に限ってそんなことは有り得ない。ふざけるな。耳を疑ったよ。はい、どうぞ。熱いから気を付けてね」 「ありがとうございます」紙コップに入ったカフェオレを渡された。 「重度の妊娠中毒症でそのまま入院になった。でも、少し目を離した隙にふたりともいなくなっていた。臍の緒が入っていた箱の裏に出産した病院書かれてなかった?」 「いえ」 「そう」 先生の表情が険しくなった。 「そのまま産気ついて自宅で産んだんだろうね。7ヶ月の早産でも、病院で出産すれば死ぬことはなかったのかも知れないね」

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