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後悔

スマホがぶるぶると振動した。 「お、吉村からメールだ。俺ってやっぱ天才って、また、自慢してるよ」 見付かったUSBメモリーに入っていたのは、国と県から交付された補助金の一部を不正に着服していたことを示す裏帳簿みたいだった。 余計なことを喋らないように口止め料として産婦人科医に払ったものや、便宜を図ってもらった見返りに県会議員や市議会議員に現金を渡したことも記載されてあった。 「大騒動になるな。城さんはこの事件が解決したら、刑事を辞めるそうだ」 「そんな……」 「石垣を唆したのは事実だからな」 彼がスマホをポケットにしまった。 「この話しはこれで終わり。四季、結婚式の話しをしない?」 「え?」 何をいきなり言い出すのかと思ったら。驚く僕に、 「あと4か月後なのに、まだ、衣裳も決めてないんだ。俺は四季にドレスを着てほしいな。タキシードより絶対似合うと思う」 「でも、僕、男だし」 「半分は、だろう?」 音もなく手を捧げ持たれ、指先にそっと口付けをされた。 唇がほんの少し触れただけなのに、心臓がどきどきした。 「くすぐったかったかな?」 「もう和真さんったら」 誰かに見られてしまったかと思うと恥ずかしくて。頬を染め俯いた。

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