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まなみ先生には幸せになって欲しかった

兄が四季くんにその鍵を託したんだもの。どうするかは四季くんが決めて。初瀬川さんに言われ、どうしようかと迷ったけど、彼と話し合いそのレンタルボックスに向かうことを決めた。何かあった時のために副島さんは病院でこのまま待機することになった。 「まなみ先生だからあんなに幸せそうな顔をしていたんだ」 「恋をするのに年は関係ないよ。しかしまぁ、父には困ったよ」 ハンドルを握る彼が大きなため息をついた。 「和真さん?」 「社長室に真っ昼間から女性を連れ込んだり、重要な会議をドタキャンして女性と出掛けたり、会社の大切な情報を別の女性に漏らしたり、セクハラを訴えて辞めていく女性社員があとをたたないんだ。今度開かれる臨時の役員会で、父に退陣を求め、創業一家以外から社長を選出するように求めるそうだ」 「それじゃあ、和真さんは?」 「会社を辞め副島と新しく事業をはじめるつもりでいたんだけど、須釜社長から、副社長として是非うちの会社に来てほしいって頼まれていて正直迷ってる」 彼の横顔をそっと見上げると、 「キスしたくなくなるから、あんまり見つめないでほしいな」 困ったように苦笑いされてしまった。

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