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まなみ先生には幸せになって欲しかった

阿部さんと合流してから5分あまり。信号機の手前に黄緑色のコンテナみたいな建物がコの字の形に並ぶレンタルボックスに到着した。2台分しかしない駐車スペースに車を停め、車椅子をトランクルームから出してくれた。 「ちゃんと掴まって」 腕を伸ばし彼の肩にしがみつくと横に抱っこし、車椅子に座らせてくれた。 「リュックサック持っていく?」 「置いたままで大丈夫です」 「でも暑いよ」 帽子をリュックサックから取り出すと、頭に被せてくれた。 「これで良し」 「ありがとう和真さん」 見つめると、にっこりと微笑み返してくれた。 「あの~~」 阿部さんが気まずそうに声を上げた。 「すみません」 「仲が良くて羨ましいよ。ところで場所はどこかな⁉」 「鍵に3の刻印があるから手前から3番目のボックスだろうって副島が」 「そうか」 彼と阿部さんがキョロキョロと見ながら前へ進んでいった。僕はふたりの邪魔をしないようにガタゴトと揺れる砂利道を、後からゆっくりと付いていった。

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