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決意

「県警やK警察署に再捜査を何度頼んでも終わった事件だからと相手にもされなかった。母さんの死の真相が分かるまで俺は諦めない。捜査怠慢だったのは明らかな事実だ。警察に対し国家賠償請求をすることに決めた。警察が非を認めて謝罪するまで戦うつもりだ」 「足手まといかも知れないけれど僕も手伝うよ」 「駄目だ」 「なんで?」 「新婚早々朝宮さんを一人にする気か?きよが何をしでかすか分からないんだ。大切なきみを、もう危ない目には合わせたくない。武田さんや阿部さんら心強い味方がいるから大丈夫だ。四季、その気持ちだけありがたく受け取っておくよ」 集まってくれた先輩たちに見送られ火葬場を出た僕たちはそのまま真っ直ぐ初瀬川さんのお兄さんが入院する病院に向かった。 「まだ意識が戻らないの」 「そうですか。初瀬川さんから提供していただいた写真で笑顔のまなみ先生の遺影を作ることが出来ました。ありがとうございましたと、意識が戻ったら伝えてください」 たもくんが深々と頭を下げた。 「岩水、頑張ってとしか言えないけど、無茶だけはしないでよ。まだ怪我治っていないんだから」 「はい」 初瀬川さんが心配するのも無理がない。明るく振る舞ってはいるものの、憔悴しきり今にも倒れそうなくらい、足元がふらついていた。

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