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はじめての家族旅行
「天気が良くて良かったね」
車から下ろしてもらうと結お姉さんが帽子を被せてくれた。午前中は会津絵ろうそくの絵付け体験。会津若松市は古い街並みが残る歴史あふれる城下町。コオお兄ちゃんに予約してもらった絵ろうそくのお店は安永元年創業、会津藩お抱え職人として働いた老舗のお店で、和真さんとコオお兄ちゃんに手伝ってもらい店の中に入った。色とりどりの華やかな絵ろうそくが所狭しと店頭に並べてあった。
絵付け体験をする場所は和室みたいで、邪魔にならないところに車椅子を置かせてもらい、リュックサックを抱き締め、彼にお姫様抱っこしてもらい移動した。
「結お姉さん大丈夫?」
座布団を渡そうとしたら、
「ありがとう四季くん。大丈夫だよ」
にっこりと微笑まれた。
「困ったな。絵心ないんだよな」
櫂さんがろうそくと絵の具を前に苦笑いを浮かべていた。
「和真さんとコオお兄ちゃんは?」
「俺たちも絵心がないから、今回はパス」
「三人の専属カメラマンになるよ」
「ふたりともズルいよ」
櫂さんが不満を漏らすと、
「あーちゃん、パパが描いてくれた絵ろうそく楽しみにしてるって」
結お姉さんが間に入ってくれた。
あーちゃんという言葉に弱い櫂さん。 娘のためならパパ頑張るよ。決意を新たに腕捲りをした。
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