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はじめての家族旅行

「和真、二度あることは三度あるっていうし、予定を変更した方が良さそうだな」 「そうだな」 彼とコオお兄ちゃんがさっきの女性から渡されたレシートに書かれた数字をじっと見つめていた。 「これ、もしかして電話番号じゃないのか?東京なら03、大阪だったら06。都会の方が田舎より潜伏しやすい」 「じゃあ、この末尾の17は?」 「もしかしたら年齢かも。さっきの女性、どう見ても20歳前後だろう。彼は40歳だ。愛があれば年の差なんて関係ない。和真と四季がそうであるように。でも、年が少し離れすぎてないか?下手したら未成年でこはるという子どもを産んだことになる。よく親が許したと思わないか」 気持ち悪いと訴えた結お姉さんをお手洗いに連れていった櫂さん。5分ほどで戻ってきた。 「ごめんね、心配を掛けて。もう大丈夫だから、そろそろ出掛けよう」 「姉さん」 彼が結お姉さんに声を掛けた。 「この近くに日帰り温泉があるみたいだ。個室もあるみたいだし、チェックインの3時までそこでゆっくり体を休めた方がいい」 「でも和真、お昼キャンセルできないんでしょう?」 「予約したのは席だけだから大丈夫だと思う」 「分かった。和真に任せるよ」

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