｢どうやら番号の謎が解けたみたいだよ」 ｢え？」 思わず言葉を飲み込んで、まじまじと結お姉さんの顔を眺めた。 ｢今は削除されているけれど、ネットであの人の氏名、顔写真、身体的特徴、なんの罪を犯したか洗いざらい晒して、３０万だったかな？詳しい金額までは分からないけど懸賞金を掛けて探していた人がいたみたい。もちろん、櫂くんじゃないよ」 ｢どんなに彼が憎くても、和真さんやコオお兄ちゃんもそんな姑息な真似は絶対にしない」 ｢私も同意見よ。あのひと、私か櫂くんか和真が犯人だと思って、それであとをつけているのかも。キャンセルしたけど、昼食を食べる予定だった蕎麦屋さんで、私たちのことをしつこく聞いて回る変な客がいたみたいよ。あ、そうだ。すっかり言い忘れたけど、会津若松市は副島と吉村の第二の故郷なんだよ。だから、ふたりの知り合いがあちこちにいるの」 ｢第二の故郷？」 ｢うん。そう。市内にある公立のA大学は日本で最初のコンピュータ理工学専門の大学なんだけど、ふたりはそこで一緒に学んだのよ。ちなみに、和真は県内にある大学に、斎藤は東京の法科大学に進学したのよ。四人は小学校から高校までおんなじだったの」 「え？そうなんですか」 はじめて知ることばかりで驚いてばかりいた。