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真実
「どうした四季」
「何かあったか?」
心配そうにじっと見つめられた。
「和真さん、コオお兄ちゃん、あのね」
震える指で写真に映る人物を指差した。
「これは磐越道バス事故 御霊の碑御霊の碑 だ。父と一緒に映っているこのひとって、確か、丸和電機の……」
「嘘だろう」
彼とコオお兄ちゃんが目を見開き、絶句した。
「あの、もしかして副島さんの息子さんですか?」
「はい、そうです」
「やっぱり」
「やっぱり?」
「店に入ってきた時に、副島さんにそっくりだったから、息子さんかなって思っていたの」
「星さん、すみませんが、この写真は?」
「それは三年前の慰霊祭のあとに、まこ こころの会の代表の上遠野さんと事務局長の副島さんと、四人で撮影したものなのよ」
「マスコミも写真も大嫌いなひとだから、マスコミの取材は絶対に受けないし、写真も撮られるのを嫌がっていた」
星さんと星さんのご主人が写真が撮影された当時のことを僕たちに話してくれた。
「休憩中なのにわざわざ作ってもらったんだ。麺が延びるから、とりあえず食べよう」
「うん」
彼が割り箸を取ってくれた。
手取り足取りいちから仕事を教えてくれた。物覚えが悪い僕に苛立つことなく根気よく教えてくれた。彼と出会ったばかりの頃、パートのおばちゃんたちに冷やかされ、質問攻めにされたときも守ってくれた。
それに、武田課長や初瀬川さんと一緒に危ない目に遭いながらもきよちゃんから守ってくれた。
丸和電機に入社するずっとずっと前から、僕は黒田さんに守られていたんだ。なんで今まで気付かなかったんだろう。
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