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新たな事件のはじまり
「今の会話、録音されてますよ。訴えられたくないから、もう二度と掛けて来ないで頂けますか?」
征之おじちゃんは落ち着いていた。というより、怒りを通り越して呆れ返っていた。
「今の女の人、もしかして……」
「困った人ばかりだ。自分のことしか考えていない。娘がいなくなって錯乱するのは分かるけど、その娘に毛嫌いされているのは彼女自身なのにそれすら分かっていないなんて、皮肉なものだね。四季くん、和真くん、お腹空いてない?ご飯にしよう」
征之おじちゃんに促され、彼とコオお兄ちゃんとリビングに向かった。
「明日花の失踪の件で、元同僚と会ってきたんだ。ちょうど目の前のスーパーで駅弁、空弁大会をやってて、みんなの分買ってきたんだ」
「ありがとうございます征之おじちゃん」
「ありがとうございます」
「礼はいらいないよ。たまには四季くんに楽させてあげるのもいいかなって。そう思ったんだ」
テーブルの上には美味しそうなお弁当が四つ並べてあった。
「元同僚に聞いたけど、明日花がいつ行方不明になったか正確なことは誰も分からないみたいだよ。身を寄せていた親戚宅にも寄り付かなくなって、彼氏の家や友達の家を泊まり歩いていたみたいだよ。和彦の長男が経営する飲食店に警察がガザ入れに入った直後くらいから、誰も姿を見てないみたいだ」
「そうなると4日前か」
彼が腕を前で組んで気難しい表情でなにやら考え込んでいた。
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