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家族という名の赤の他人

こはるちゃんと一緒に暮らしはじめてまだ数日しか経過していないけど、毎日が発見の連続だ。施設にいたころしーちゃんって呼んで慕ってくれたこはるちゃんと同世代の子どもたちの顔が次から次に脳裏に浮かんできた。施設が閉鎖され、別の施設に全員引き取られたと聞いたけど、みんな元気かな?新しい施設で幸せに暮らしているといいけど。 「しーちゃん、おいち」 椅子に立ち上がり、ぶんぶんとフォークを振り回すこはるちゃん。 「心春、行儀が悪い。椅子にお尻ペッタンして。フォークを振り回すと危ないぞ」 「ごめんなしゃい」 何よりも驚いたのが彼が子ども好きだったことだった。 心春と精神年齢が近いんだよ。だから馬が合うんじゃないかな。冗談半分で笑っていたけど、意外と当たってるかもしれない。 夕御飯のメニューは、さつまいもご飯とお爺ちゃんが畑で作ったキャベツをたっぷり使ったメンチカツと、これまたお爺ちゃんが畑で作ったさやえんどう入りの具だくさんのお味噌汁。 「しーちゃん、おみそちる、おかわり」 野菜が苦手なはずなのに、モリモリ食べてくれる。だから作り甲斐がある。 「心春ちゃん、明日ママのお見舞いに行こうか?赤ちゃんにも会ってこよう」 お爺ちゃんがマグカップを片手にリビングに入ってきた。

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