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家族という名の赤の他人

「こはるちゃんはひとりじゃない。だから安心して」 ほっぺとほっぺをぺったんして、背中を撫でてあやすと、安心したのかすやすやと眠りはじめた。 「心春汗びっしょりだ。四季も暑いだろう。寝かせてくるから」 「和真さん、ちょっとだけ待って」 額の汗を手で拭い、皮膚に張り付いた前髪をそっと左右に分けた。 「おやすみなさい。また明日遊ぼうね」 彼がこはるちゃんの脇の下に手を差し入れ、体の向きを変え抱き上げようとしたら、 「こはるちゃん。しーちゃんがいいの」 服にぎゅっとしがみついて、ぶんぶんと首を横に振った。 「しーちゃんは明日の準備がある。先に寝て待ってよう」 「しーちゃん」 目をうるうると潤ませ、じーっと見つめられた。 「それじゃあ、約束げんまんしよう?」 「うん」 小指を立てると、鼻を啜りながらこはるちゃんも小指を立ててくれた。 「約束げんまん嘘ついたら針千本の~ます。指切った」 「こはるちゃんできたよ」 「うん、よく出来たね」 頭を撫でるとようやく笑顔を見せてくれて。そのままストンと眠りに落ちていった。

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