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決着のとき
「朝宮気を付けろよ。ソイツもフーと一緒で……フーというのはさっきまで四季を抱っこしていた男だ。強くてカッコイイ男が好みだ。口説かれたくなかったら離れていたほうが身のためだ」
それを聞いた彼。マジか……ぼそっと呟くと、車椅子を押してお店の出入り口に避難した。
「真山が俺に隠れて金儲けをしていることは知っていた。トラブルを起こし人様に迷惑を掛けないならと黙認してきた。でも……」
そこで言葉を止めるとキヨちゃんをじろりと睨み付けた。
「俺という男がいながら真山は、その女と結婚すると言い出した。部下に女が何者か調べさせた。サツに追われているだけじゃなく、兄貴の大事な身内に逆恨みし手段を選ばず執拗に命を狙っていることが分かって血の気が引いた。おい橋本、俺と約束したよな。真山を俺からもらう代わりに、兄貴の身内である朝宮四季に今後二度と近寄らないってな。嘘つきは嫌いだとも言わなかったか?」
ドズのきいた低い声で脅した。
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