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結婚式当日

ドアをそっと開けた。まどかちゃんを抱っこした彼が面喰らってぽかんとして突っ立っていた。 「全然可愛くないでしょう。だって僕、男だもの。似合うわけないよね」 「すごく似合っているよ」 「嘘だ」 「嘘じゃない。美しいきみに見惚れていたんだよ。な、心春。そうだよな」 こはるちゃんが彼の背後からひょっこりと顔を出した。 「しーちゃんママ、かぁいい~~」 両手をパチパチと叩き、ぴょんぴょんと飛び跳ねて喜びを爆発させてくれた。 移動する前にスタッフの女性に頼み写真を何枚か撮影してもらった。 「大切な思い出がまた増えたな」 「パパとママとこはるちゃんとまーちゃん」 「考えてみたらはじめての家族写真だな」 「そうだね」 こはるちゃんが僕のお腹を撫で撫でしてくれた。 「あかちゃん」 「こはるちゃんまたお姉ちゃんになるんだよ。嬉しい?」 「うん」 満面の笑みを浮かべて大きく頷いてくれた。 夕貴さんの密葬が終わり、彼と僕とこはるちゃんでゆびげんまんをした。お空の上にいるママに心配を掛けないように毎日スマイル。悲しい日もとにかく笑って元気に過ごそうって。 幸せを噛み締めながらハンドリムをこいで、彼とこはるちゃんと一緒に披露宴会場へと向かった。

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